『シーバスリーガル』は、ウイスキーの中ではブレンデッドウイスキーに分類されます。
ブレンデッドの反対に当たるのがシングルモルトで、
これは単一の蒸留所で蒸留されたウイスキーのみを使ったものです。
一方、ブレンデッドウイスキーは、複数の蒸留所のウイスキーをブレンドして作られます。
このため、シングルモルトは蒸留所やその土地の個性がウイスキーに現れますし、
ブレンデッドの味わいは、複数のウイスキーをブレンドするブレンダーと呼ばれる
責任者の感性や経験によって決まります。
『シーバスリーガル』では、初めてブレンデッドウイスキーを作った1840年代から、
その技術や感覚が受け継がれ、研ぎ澄まされてきています。
さて、ブレンデッドウイスキーには、キーモルトと呼ばれる、
ブレンド後のウイスキーの味の核になるウイスキーが存在します。
『シーバスリーガル』のキーモルトは、
伝統的にストラスアイラという蒸留所で作られたウイスキーです。
このストラスアイラ蒸留所は、蒸留所が位置するスコットランドのハイランド地方では最も古い蒸留所です。
「アイラ」という文字が入っているので、
知識のある方なら「アイラ島」と関係あるのかな？と思われるかもしれませんが、関係はありません。
味わいの面でも、アイラ島などに見られるようなピート香は無く、
シェリー樽で熟成したことに由来する甘い香りが特徴で、焼きリンゴや蜜の香りが華やかに香ります。
このウイスキーを中心にしてブレンドされた『シーバスリーガル』ですが、
商品のラインナップは4種類あります。
もっともベーシックな12年、
さらに熟成させた18年、
最高級品の25年、
そして日本のミズナラの木を使用したミズナラです。
ウイスキーは一般的に、熟成期間が長くなるほど
アルコールのピリッとした舌触りがまろやかになり、
さらに味わいが複雑になります。
シーバスリーガルも、12年では強いアルコールを感じますが、
18年になるとこれが抑えられ、柑橘や梨、
さらにストラスアイラ由来のリンゴやキャラメルのような芳醇な香りがリッチに感じられます。
25年になると、芳醇な香りはナッツやチョコレートを感じるほど凝縮され、
まろやかで贅沢な味わいになります。
日本のミズナラの木で作った樽を使用して熟成させたミズナラは、
ミズナラ由来の柑橘系の香りがはっきりと感じられますが、
蜜のような芳醇な香りはそのままです。
日本に向けて作られたウイスキーというのは嬉しいですよね。
ちなみに、同じメーカーが製造している『ロイヤルサルート』というウイスキーがあり、
よくシーバスリーガルの上位品だと勘違いされるようですが、
このウイスキーはあくまで別物です。
ただ、『シーバスリーガル』と同様にストラスアイラがキーモルトになっており、
とても美味しくいただけます。
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