【平和館のちょこっと豆知識】香り高きコニャック★マーテルの歴史

2015年11月23日

マーテルはコニャックのブランドです。歴史の古さや生産規模、愛好家の信頼度からいっても世界でも5本の指に入る、名声のあるブランドです。 マーテルの歴史は古く、創業は1715年。創業者ジャン・マーテルはフランスのコニャック地方の地酒を輸出すべくイギリスからフランスのシャラント川のほとりに移りすみました。 はじめに航路を通りイギリスへ輸出し、1721年までに53000ガロンのコニャックを輸出するほど王侯貴族愛好の酒になりました。

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さらに1831年、最初の「VSOP」コニャックをつくり、オーストラリア、中国、日本などへ輸出し名声を得たのです。 「VSOP」はコニャック地方で優れた4つの畑から獲れたブドウをブレンドして作られたもので、伝統的な製法を守っています。味わいは砂糖漬けのフルーツのようで、芳醇です。 しかし1880年にはコニャックのブドウ畑の80%が枯れ、事業が窮地に追い込まれましたが、努力を持って再生しました。

 

1912年にはコルドンブルーというブランドを作ります。コルドンブルーとはフランスのブルボン王朝の青綬の意味です。色合いは深い黄金で、香りはフルーティーでありながら香ばしいナッツを彷彿させます。味わいはエレガントで複雑であると言われ、コルドンブルーはマーテルの象徴になります。

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現在のマーテル代表が就任したのは1971年です。1987年シーグラムの傘下になり、2000年代にはガラスデザイナーのSergeMansauによってデザインされた瓶の中にマーテルを入れるなど、新しいコニャックを作ります。 1992年に「マーテル・ノブレジ」という入門者向けのブランデーを発売しています。油っぽい料理にも合うとのことで愛飲する方も多いようです。 honononohochan-img400x600-1439444775ayypnl17404

2001年に、シーグラム社は酒造部門をペルノ・リカールに販売したため、現在はペルノ・リカールの販売するコニャックとして生産されています。 2015年に創業300周年を迎え、コルドンブルーのリミテッド・エディションを発表。ベルサイユ宮殿でセレブレーションが行われました。 リミテッド・エディションは熟成に樹齢300年のオークを使用しています。味わいはなめらかでプラムやりんごのフルーツの風味がひろがり、はちみつなどの熟成された余韻が残ります。

 

マーテルは現在でもその古典的で伝統的な製法をうけつぎ、美食家たちから支持を得ています。 特に原酒をブレンドする際に、チーフ・ブレンダーと呼ばれる役割があり、その技術と感覚は世襲制で受け継がれています。 マーテルは様々なブランデーを世に送り出す伝統的な優良ブランドといえるでしょう。